コロナウイルスが猛威をふるっている2020年2月現在。感染拡大が叫ばれてはいるものの、ドラッグストアやコンビニではマスクが買い占められ、満員電車や大混雑の駅でも3〜4割しかマスクをつけている人を見ません。「マスクがないなら作ればいいじゃない!」といったネット記事もありますが、それ、本当に感染対策になるんでしょうか?
坂野 りんこ

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坂野 りんこ
コロナウイルスが猛威をふるっている2020年2月現在。感染拡大が叫ばれてはいるものの、ドラッグストアやコンビニではマスクが買い占められ、満員電車や大混雑の駅でも3〜4割しかマスクをつけている人を見ません。「マスクがないなら作ればいいじゃない!」といったネット記事もありますが、それ、本当に感染対策になるんでしょうか?

どうしましょう、コロナウイルスが流行っています。
マスクをしなければいけないのに、マスクがない。どこにも売っていない。

そんなマスク難民のため、ネット上では手作りマスクのレシピが多数公開されています。
キッチンペーパーを使ったもの、ガーゼを使ったもの、可愛い柄の布を使ったマスク、などなど。

さて、そんな手作りマスク、ウィルスを防ぐ効果はあるのでしょうか?

そもそも、市販のマスクではウィルスを防げない

ここで残念なお知らせですが、手作りどころか市販されているマスクですら、感染対策としては不十分です。

聖路加大学の准教授で、環境疫学、公衆衛生学の専門家・大西一成氏の『マスクの品格』という本によれば、ドラッグストアやコンビニで販売されている「衛生マスク」の漏れ率は86.3%。マスクの隙間から外の空気や粒子が入り込んでしまっているため、ウイルスや花粉などを完全に防ぐことは難しいのだそう。
ちなみに、マスクの周りを押さえることで外部の粒子の取り込みを20%ほどまで下げることができたといいますが、四六時中マスクの隙間を押さえているわけにはいきません(テープなどで固定するのも不便すぎますしね)。

ここからも市販のマスクがウイルス対策としていかに不十分であるかがわかるでしょう。

衛生マスクは予防ではなく感染した人がつけるもの

それではマスクはまったく意味がないかというと、そうではありません。
ウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫感染によって他人に移ります。
マスクはこの感染原因となる飛沫を外に撒き散らさないという点において有用です。

洗って使えるガーゼマスクも、自分の唾やくしゃみを外に出さないためのもの

フリマアプリなどでも取引されている手作りガーゼマスクも、市販の衛生マスクと同様に、感染を予防するためのものではなく感染した後のものです。しかもガーゼの目は市販の不織布やウレタンのマスクよりも粗いため、くしゃみの飛沫がガーゼの目を通って外に出てしまうこともあります。
とはいえ、粒の大きい粒子や飛沫は防げますので、何もつけないより拡散はしません。

というわけで、予防という観点から考えると市販の衛生マスクや手作りマスクは気休めにしかならないわけですが、長い潜伏期間の間にヒトからヒトへと感染するコロナウイルスの場合は、自分がウイルスを拡散しないためにも手作りでもいいのでマスクは常につけておくべきでしょう。

それではどんなマスクだったら感染予防できるの?

市販のマスクは気休めと書きましたが、それでも中には感染を防いでくれるものもあります。
例えば、防塵マスク。

バクテリアやウイルスは粉体、粉粒体とも呼ばれる粒の集合体です。
医療現場や粉がたくさん舞う工事現場などで使われている粉塵マスクを使うと、高性能なフィルターが粉体を除去してくれます。

中には数千円〜数万円する商品もありますが、例えばこちらのマスクはフィルターを取り替えることで繰り返し使えるといった特徴もあり、使い捨てより結果的に安上がりな場合も。

そして粉塵マスクはご覧の通り、見た目がゴツすぎるのが難点です(これでもまだ大人しいデザイン)。
しかし、本格的に数千人〜数万人規模でウイルスが蔓延し始めた場合、このようなマスクを街で見かけることも珍しくなくなるかもしれませんね。

2020年2月17日現在、粉塵マスクはAmazonでもまだ取り扱いはあるようです。
市販のマスクがなくて困っているという人は、こちらを検討してみてはいかがでしょうか。

自分の顔にフィットするものを選ばなければ意味がない

さて、ここでは粉塵マスクをおすすめしましたが、どんなに高性能なフィルターがついていようとも、自分の顔にぴったりフィットするものでなければ隙間からウイルスは侵入してしまいます。彼氏が買ってきた男性用のマスクを顔の小さい女性がつけてもあまり意味がないのです。
自分の健康を守るため、多少の出費は覚悟して自分専用のサイズのマスクを探してください。お子さんがいる方も同様です。

本気で対策するなら、目も保護しよう

そしてコロナウイルスは目から感染するという情報も出てきているようです。
初期症状として結膜炎のような症状が出て、その後肺炎になる人がいるとのこと。

気になる人は、目も保護した方がいいでしょう。
この時期だけはメガネにしたり、花粉症用のゴーグルをつけて外出したり、といった対策が有効になるはずです。

メガネの人は、このような隙間を埋めるパーツもあります。

マスクの話とつながりますが、「粘膜を外気に直接触れさせない」というのが一番の対策になります。ゴーグルやメガネを欠けたからといって安心せず、隙間ができていないかに注意を払いましょう。

そして既にあちこちで言われていることですが、粘膜が集中している顔は極力触らないように。無意識に顔を触るクセのある人、意外と多いんですよね…‥‥私のことですが(泣)。

早ければ3月には収束するという説もあるコロナウイルス。万全な対策で、何事もなくこの冬を乗り越えたいものですね。

<参考>
『マスクの品格』 大西一成/幻冬舎

Photo:Gerd Altmann
坂野 りんこ

Lily-Jay編集&ライター。頑張っていない方のアラフォー先輩。気が付いたらライター歴15年以上。Lily-Jayにはこの春から編集として参加しています。 成人女性として生きてきた約20年の間にサボりまくったツケを取り戻すべく、記事を通して一緒に成長していきたいところです。 ライターのほか、書籍の編集者、イラストレーター、漫画家としての顔もあります。 著書は『新感覚ごがくしょ 笑ってイタリア語マスターちゃおイタ』『江戸ちえ』(中経出版)。

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