
2020.05.17
コンプレックスだった低い声枯れが治った!“声がブス”に悩んでいた私の「声帯結節」奮闘記

writer :
ミクニ シオリ自分の声が嫌い。そんなコンプレックスを持っていませんか?私もずっとそうでした。
初対面の人に会うたび言われる「酒飲んできたの?」「オカマ?」「スナックのママ?」などの、なんの気なく発せられる中傷。ずっと声の低さと、酒やけのようなしゃがれ声に悩んできました。
でも、私は大嫌いな自分の声枯れを、保険治療で治すことができたんです。
声枯れの原因「声帯結節」が診断されるまで
いつからか明確に思い出せませんが、気づいた時には自分の声が嫌いでした。20歳を超えてからは、カラオケで高い声が出しづらいこと、お酒を飲むと声が出ないほど枯れることがあること、喘ぎ声が低くて恥ずかしいことなど、声にまつわるいろんなことがコンプレックスになりました。
そんな時でした。お酒を飲むのが好きで、おしゃべりな友人が「声帯結節」という病気になったという話を聞いたのは。
友人が言うに、突発的に声帯に腫れやできものができることで、かすれたような声しか出なくなることがあることで、営業職に就いている友人は生活に支障が出るということで、都内で有名なボイスクリニックにかかったところ、この病気を診断されたのだそうです。
友人の声帯結節は一時的なもので、投薬で腫れが引けば喋れるようになるというものだったそうですが……実際私も、3時間以上の長電話などでも声が枯れて出なくなる、ということを経験していたので、そのクリニックをかかってみることにしたのでした。
診断の結果、私には「慢性声帯結節」という病名がつきました。声枯れは病気で、そして治療できるということが分かったのです。
1泊2日の手術で声帯結節を切除
声帯結節には、友人のように体調や使い方で突発的になる人もいれば、私のように常にできものができてしまってから長い間経過してしまっていて、薬などではなかなか治らない慢性的な人もいるという話でした。友人はツライ時だけ投薬治療で都度対応しているようでしたが、私はできものも大きく、投薬治療だけでは治りそうになかったため、手術で声帯の突起物を取り除くことにしました。
仕事で人としゃべる時も、高い声を作るのがずっとつらかった。お酒の場ではしゃがれた声は通りづらく、会話に入るのが難しかったり、話すというかんたんな行為のためにに声をはりあげ、翌日声がでないほどつらくなるのもしんどかった。
一泊二日、私は保険適応で10万弱ほどで手術をすることができました。一応術後3日間は沈黙、1週間までは30分ほどしかしゃべれない、というダウンタイムがあったので、1週間は仕事を休みました。意外と一日30分しか喋れないというのはストレスでしたが、ひとり暮らしだったら楽に過ごせるかもなあという感想です。
今はダウンタイムも終わり、普通に喋りながら生活しています。まだ大声を出したり、歌ったりはしないようにしていますが、少なくとも人に言った言葉を「え?」と聞き返されることは減りましたし、声がクリアになって突っかかる感じがなくなったね、と友人にも言ってもらえるようになりました。
声のコンプレックスは精神にも繋がる?
私が受診した病院では手術の前に、ちょっとしたアンケートシートのようなものも記入しました。声が原因でネガティブになることがあるか、損をしていると感じることがあるか……そんな内容でした。人によっては、声のコンプレックスが原因で精神病になったり、傷つきやすくなっている人もいるということで実施されているもののようでした。
私自身、自分の声が保険診療で治るということがもっと早く分かっていたら、多分もっと早く手術していました。もう少し若い頃は、もっと自分の声が嫌いでした。声が嫌いだから死にたい、と思ったことはなかったけれど、ボイトレを受けたり自力で治す方法を探して、努力しても変わらないことが悲しかったし、自分の体の中で一番キライなものでした。
たかが声枯れ……そのように言う人もいるかもしれませんが、自分にとってはとても重要なこと。もし、声枯れや男性と変わらないくらいの声の低さに悩んでいる人がいるなら……ぜひ、ボイスクリニックにも行ってみてください。あなたの声も、治るかもしれません。つらさを抱えっぱなしにしないで、変わる方法を探してみましょう。


