SNSに投稿することによって得られるいいね!やコメントは、「多くの人に認めてもらった」という安心感につながりますよね。SNSだけでなく、親や上司、友人や恋人に認めてもらいたがる、いわゆる「承認欲求」を抱える人は多いといいますが、あなた自身はどうですか? 今回は、アドラー心理学をもとに「承認欲求」との付き合い方を解説します。
宮野茉莉子

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宮野 茉莉子
SNSに投稿することによって得られるいいね!やコメントは、「多くの人に認めてもらった」という安心感につながりますよね。SNSだけでなく、親や上司、友人や恋人に認めてもらいたがる、いわゆる「承認欲求」を抱える人は多いといいますが、あなた自身はどうですか? 今回は、アドラー心理学をもとに「承認欲求」との付き合い方を解説します。

自分の承認欲求に、どれだけ気付いてる?

承認欲求については、まず「自分は、誰に、何を、どんなふうに認めてもらいたがっているか?」を詳しく知ることが大切でしょう。以下のような項目に、心当たりはありませんか?

・親に認めてもらいたい(就職や転職、結婚や出産など)
・恋人に認めてもらいたい(「物分かりのいい私」「モテる私」「可愛い私」「気配りのできる私」など)
・友人に認めてもらいたい(「いい人」でいたい、「皆から羨ましがられる物を持ったり、彼氏を作ったり、仕事をしていたい」)
・上司に認めてもらいたい(上司に好かれるためにおべっかを使うなど)

改めて考えれば、自分の意思で決めたつもりだったけれど、他人の目を気にしていたり。他人に反対されると、自分の意見に自信がなくなってしまったり。自分の希望と他人の希望を天秤にかけ、他人を優先させてしまったり。

そんな記憶のある方、多いのではないでしょうか。


承認欲求を求める人は「他人の人生」を歩んでいる

承認欲求を求める人は、他人の人生を生きていることになるーーそう指摘するのがアドラー心理学です。

親、恋人、上司、友人などに認めてもらうためには、一人ひとりの好みに合わせなければなりません。親の希望を叶え、恋人の好きな身なりをし、友人に気に入られるように振る舞う…それでは、一体「自分」はどこに行ったのでしょうか?

周囲の人の希望を全て叶えるのは、実際はムリな話。好みや希望は十人十色ですから、全員に合わせようとすると、どんどん自分のキャラも進む道も変わってしまいます。

アドラーの言う通り、それでは他人の人生を歩んでいるだけ。誰もあなた自身の人生を歩んでくれないのです。そう、自分で自分の人生を歩まなければ。

都合のいいあなたが好きなだけ?

『言うは易し、行うは難し』という通り、自分らしく生きるといっても「じゃあ嫌われろってこと?」「私が1人になったらどうするのよ?」「私の評価が下がるじゃない」「彼に振られちゃうかも」なんて不安も残ります。

ただ、よく考えてみましょう。あなたを認めている人たちは、「自分に合わせてくれるあなた」を好きなだけかもしれません。素のあなたではなく、自分に合わせてくれる、都合のいいあなたを。あなたが他人に合わせている限り、「他人に合わせるあなた」しか相手は知らないのですから。

そう考えると心が痛い!ですが、「この先も一生他人の目を気にし、他人の人生を生き、都合のいい私でい続けるリスク」と比較してみましょう。それならばできるだけ早く、今すぐ自分の人生を歩むほうが、自分も納得できます。

まずは自分らしい生活を送ること。仮の姿のあなたを見ていた人は離れるかもしれませんが、段々とあなたらしさを好ましく思ってくれる人が集まるものです。そういった人と友人や恋人関係を結んだ方が、心も満たされるでしょう。

「普通であれ」とアドラーは言う

アドラーは「普通であることの勇気」をもつようにいいます。普通って面白くない!と思う人もいるでしょう。しかし「実は普通でいることこそカッコイイ」と30代半ばの筆者は思います。

普通な人は、普通である自分、つまりありのままの自分を受け入れて満足しています。自慢することもなく、偉ぶることも、上から目線になることもない。自然な自分でいながらにして満足しているのです。

今の自分に満足できない人は、「昔あの人に嫌なことを言われたから私の性格は暗いままなんだ」と過去に執着したり、「もう少しやせたらモテるはず」「いつか仕事で必ずトップに立つ」と未来に思いをはせている人が多いでしょう。アドラーは実際に存在するのは「今、ここ」だけであり、過去や未来にとらわれるのではなく、今、ここを生きる大切さを訴えます。

今、ここを思いきり自分らしく生きて満たされる人はやっぱりカッコイイと思うのですが、本人はきっと、カッコイイという言葉も不要なのでしょう。

他人に認められるのではなく、自分であることを受け入れて、今ここを生きる。その練習を今からでも少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。


宮野茉莉子

東京女子大学哲学科を卒業後、証券会社で営業を経験。2011年よりフリーライターへ。 大学時代に学んだ哲学にハマり、哲学を交えた記事を執筆。悩んだら哲学本を開き、哲学者と一緒に考えるのがライフワーク。好きな哲学者はニーチェ、ハイデガー、西田幾多郎、鈴木大拙、マルクスアウレリウス。 哲学の楽しさを老若男女に伝えるこのが人生の目標。 京都と音楽も好きな3児の母。

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