パーティー中の女性たち
あなたは「TPOおかまいなしに、スッピンを貫く女性」に遭遇したことはありませんか? 希少種ながら破壊力バツグンの「スッピン女」の生態について、ライターの森山まなみさんがご紹介します。
森山 まなみ

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森山 まなみ

メイクオフしたお風呂上がり、スッピンはつるつるの卵肌! そんなスッピン美人に憧れる女性は多いでしょう。
生まれつきの美人はスッピンでも美しい。濃い化粧は悪。そんな「スッピン信仰」が行き過ぎた結果、「化粧なんてしなくていいよ」と、彼女や推しアイドルに上から目線でアドバイスする勘違い男性のお話も、ネットのあちこちに転がっています。

そんなスッピン信仰を真に受けてなのか、どんな場所でもスッピンを貫き通す女性がいます。
彼女たちはどんな心理で、化粧をしない自分を貫いているのか?
いくつかの事例から考えてみましょう。

イベントコンパニオンなのに化粧嫌いのハナエさん

レースクイーン
イベントコンパニオンの事務所に所属しているAさん(21)。彼女が見た「スッピン女」は、同じ事務所で一緒にイベントの現場で働いたハナエさん(22)でした。

「ハナエは決して美人じゃなくて、どちらかというとモッサリ系の一重顔。愛嬌も全然なくて、なぜ事務所が彼女を採用したのか謎だったんだけど、私が引いたのはどんな現場でも化粧をしないことでした」

イベントコンパニオンとは、展示場などの企業ブースを彩るお仕事。受付をしたり、チラシを配ったり、売れっ子になるとレースクイーンのような姿でステージに立つこともあります。書類審査やオーディションもある案件もあり、それなりの美貌が必要とされるお仕事です。
「ハナエに聞いたことがあるんですよ。なんで化粧しないの?って」
そうしたところ、ハナエさんは「だって化粧が嫌いだから」と答えたのだとか。

「好きか嫌いかじゃないって思いません? だってキレイな見た目が求められるお仕事ですよ? それって、『キレイな人しかできない仕事を、スッピンでやれるほど生まれつきキレイな自分』に酔ってるだけですよ!」
興奮ぎみのAさんは「しかも!」と、さらに続けます
「はっきり言ってブスなんですよ、彼女! それでその自信満々っぷりがありえなくて」

ハナエさんはオーディションのある仕事には一切ありつけず、ビラ配りや試食販売のような仕事しか回ってきていなかったそう。数か月でハナエさんは事務所からいなくなったそうですが、Aさんは「こんな女性がいるのか…!」とショックを受けたといいます。

高級レストランでもスッピン&ボサ髪で行くフリーターのユミさん

テーブルの上のグラスと食器

別の事例をご紹介しましょう。

ある地方都市で働くBさん。彼女の高校の同級生に、ユミさんという女性がいます。
「ユミは高校卒業後から20代後半の今まで、短いアルバイトを繰り返しているフリーター。普段はスッピン&無頓着ヘアスタイルでプチ引きこもりニート状態。でも地元の友達は多くて、皆で遊びに行ったり飲み会をしたりと仲良くやっていたんです」

事件はある女子会で起こりました。
「少し高級なフレンチに皆で行こうという話になって。どんな服着ようかとか、グループLINEで盛り上がったりしたんですよ。だからユミにもどんなレストランかは伝わっているはずなのに、いつもと変わらないスッピン&無頓着ヘアで来たんですよ!! ありえない! ほんと友達と思われるのが恥ずかしくて…」
そしてBさんは「普段は構わないけれど、ああいう場所でもスッピンで来るなんてショックでした。一緒に食事をする私たちのことも考えて欲しかった」と続けました。

そのことをきっかけにユミさんは地元の友達から敬遠されるようになり、彼女を誘おうという人は少なくなったそう。

「自分だけはスッピンでも美人」……そんな勘違いには要注意!

自撮りする人たち
アレルギーなどでお化粧がなかなかできない人もいますが、肌が健康なのにどのような場面でもお化粧をしないという人もいます。「スッピンでもキレイだから、自分はわざわざメイクする必要はない」。彼女たちの中には、そんな根拠不明の自信が存在しているかのようです。
でも、そう思っているのは実は本人だけという可能性もあるんです。

そもそも自分のことを「スッピン美人」と思ってしまう根拠は何でしょうか? 毎日見る自分の顔に慣れているから、劣化にも気付かないのかもしれないし、もしかしたらスマホやライトによって勘違いさせられてしてしまっているのかもしれません。
ここで、勘違いを生みやすい2つの罠をご紹介しましょう。

勘違いの罠①:スマホの加工

最近のスマホアプリは、写真を撮るだけで肌をキレイに見せてくれたり、目を大きく、顎をシャープにしてくれたりと盛りがスゴイですよね。いわゆる詐欺メイクならぬ、詐欺写メの盛りアプリで撮った顔ばかりを見ていると、加工された自分を本当の自分と信じ込み、「シミひとつなくてキレイなのですっぴんでも大丈夫」と思ってしまうことも…。
たまには加工一切なしで真正面から写真を撮り、怖いかもしれませんがきちんと現実を見てみましょう。そして、どの部分をケアするべきか、きちんと把握しておきたいですね。

勘違いの罠②:ライトや蛍光灯

家庭用の洗面所のライトと鏡でも、光の反射具合で肌がキレイに見えるように設計されているものがあります。毎日その鏡だけを見てメイクをする人は要注意。違う鏡で自分を見たとき、びっくりするかもしれません。
ライティングや角度で人の顔は驚くほど変わるので、時々は外や別の場所でも鏡を見て、自分の顔のいろいろな映り方を知っておくべきでしょう。鏡を全く見ないのは問題外です。

自分の良いところばかりを見て「すっぴんでもキレイだから大丈夫」と思っていると、周りからの評価とずいぶんかけ離れていきます。良い部分しか見ないということは、自分を甘やかしているということ。いつまでも自分自身を甘やかしていると、本当にキレイになりたいと思ったとき後悔することになるでしょう。

いつまでもキレイなスッピンはコツコツ努力の積み重ね

40代50代になってもスッピンがキレイという人は確かに存在します。そういう人たちは、若いころからきちんと肌ケアをしています。例えば、外出するときは日焼け止めを塗ったり、保湿を丁寧にしたりするなど日々肌への扱いを丁寧にしてきた結果なのです。シミは一度できてしかったら治すのが大変なもの。肌のたるみもシワも予防が一番効果的なので、問題が起こってからケアするよりは毎日ケアして予防するのがベストです。

何もしなくてもスッピンがキレイなのは10代まで。実は、新陳代謝は20歳で既にピークを過ぎ、最初の肌の曲がり角も20歳前後で起きると言われています。しかもこの曲がり角は肌の内部での変化のため、見ためや実感がほとんどないのが厄介だったりします。20代前半のうちは手入れしても変わらないと思うかもしれませんが、してきた人としてこなかった人では年を取ってからの差は歴然。スッピンも全く違うものになるでしょう。後から泣きたくないのなら、20歳からケアをしっかりしてくださいね。

自分を丁寧に扱えるということは、他人にも丁寧に接することができます。本当にスッピンがキレイな人は、場所によってきちんとメイクもでき、周りのことを考えて行動できる方が多いです。
「スッピンでもキレイ」だから、いつもスッピンで大丈夫ということではありません。場所や相手に合ったメイクができるような、見た目だけでなく中身もキレイな人を目指しましょうね。

森山 まなみ

作家/ライター。 アメリカ イリノイ州立大学経済学部を卒業後帰国し、機器メーカーに就職。会社員のかたわら、雑誌社のnet及びメルマガでコラムを始める。同時期に講談社少女マンガ雑誌のシナリオ大賞入選、原作者デビュー。2007年春9年間勤めた会社を退職し、文筆業を専業とする。以来、小説やシナリオ、コラム、記事作成など、しがないモノカキとして日々奮闘中。2015年より女性ライターに特化したライティングチームを主宰。得意分野は女性向けライフスタイル提案、恋愛、婚活、育児、働くママ、コスメ、美容、猫、夜のお仕事など。代表作「嬢マニュアル」(翔伝社)、「ママはキャバ嬢!」(講談社デザート)。 プライベートでは2男4女(高3~2歳)のママ。JK長女から最新のコスメや美容ネタを仕入れつつ、情報と知識をアップデートしながらお届けします。

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