
2019.08.31
小室友里×コンドームソムリエAiが語る“大人の性教育”最前線

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小室 友里’90年代後半、インターネット普及前夜、雑誌やレンタルビデオが力を持っていた時代。今でこそ紙媒体はどん底ですが、あの当時の出版は「不況知らず」と言われ、バブル崩壊後も好景気が続き、湯水のように経費が使えた時代でした。雑誌に掲載されることはステータスであり、大きな影響力があったのです。
そんな時代をナンバーワンAV女優として駆け抜け、数々の雑誌を飾った美しい女性、それが小室友里さんです。同性である筆者(Lily-Jay編集S・小室さんと同世代)の目から見ても、キラキラと美しく輝いていました。
小室さんは現在、「ラブヘルスカウンセラー」として男女間のコミュニケーションの相談を受けられているそう。その相談の内容は、心理カウンセラーの資格を活かした内面的なものから、性のお悩みまで多岐に亘ります。
そして“大人の性教育”というキーワードで思い出したのが、Twitter開設後わずか9カ月で1万3千ものフォロワーを獲得した性教育インフルエンサー、コンドームソムリエAiさんでした。コンドームを啓蒙するための「コンドーム試触会」というイベントを定期的に開催し、Twitterでの情報発信も精力的に行っています。
大人の性教育の最前線にいるお二人が、今どんな活動をされているのか? どのような想いで、この活動をされているのか? Lily-Jayリニューアル1発目の今回は、今特に注目の高い活動をされているお二方をお呼びし、お話を伺ってみました!
それぞれの、「大人の性教育」活動
--小室さんは今「ラブヘルスカウンセラー」として活動されていると伺いました。具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?

























--女性に向けてではなく、経営者に向けて行われているんですね。

























例えば、「髪の毛を触ることが親密さのアピールになる」と信じている男性も多いんですよ。でも、それが女性にとっては受け入れがたいコミュニケーションだったりしますよね。
ーーあああ…(寒気)。好きでもない人に髪の毛を触られるなんて、ぞっとします。心底気持ち悪いですね。

























でも、今まで若い頃にモテてきたまま年をとってしまった人や、他人との距離感を学べないまま肩書だけが偉くなってしまった人だと、そういうことにも気がつきにくいんです。
そんな「間違ったコミュニケーション」を女性の目線から指摘し、ひとつひとつ正していく。そのような活動を行っています。
ーーなるほど、対企業を中心に活動されているということですか?

























ーー個人の方の場合はどんなお悩みが多いんでしょう?

























経営者の方でもカップルでも、男性は「女性を不安に思わせたくない」という気持ちが強いです。
でも、距離感や方法を間違えてしまったために意図しない結果になってしまうこともあります。
そこで、何が間違っていたのかを解明していく、というようなことをしています。
ーー「不安にさせたくない」は意外でした。確かに、女性は基本的に男性がほんのり怖いですもんね。

























ーーおお、そのあたりでコンドームソムリエAiさんの活動と重なる部分が出てきましたね。
それではAiさんにお話を伺いますが、今どのような活動をされているんでしょうか?
でも、学校の現場でできる性教育にずっと限界を感じていて。























ーー限界というと?























ーーええ~~…それは、やれることも教えられることも、とても限りがありそうですね。
そこで衝撃を受けるとともに、教育者として責任を感じてしまって。























ーー教育者としての責任!?
だから、大人になってからも正しい知識を学べる場所を作ろうということで、コンドームを実際に触って確認することができる「コンドーム試触会」というものを立ち上げました。























ーーなるほど、大人に向けて再教育しようと。Twitterで見ましたが、反響がすごいですよね。
参加者はほぼ女性で、それだけ皆悩んでいることなんだろうなと思います。























離婚をきっかけに今の活動へ
ーー小室さんは心理カウンセラーの資格をお持ちだと伺いました。なぜ心理の道に進もうと思われたんですか?
















































ーー私も……!

























離婚されるときは、悩まれたでしょう?
ーー(一同頷く)。

























世間的に見たら「性のスペシャリスト」だと思われていた私ですが、そんな私ですら悩んだ。
だから、皆きっと性やパートナーシップで悩むだろうと思って。それで、心理カウンセラーの資格を取りました。
















































行かれたことあります?
子供が欲しいとはお互い思ってたんですけど、「そのうちできるだろう」と楽観視している相手と、妊活オタクになってた私とどんどん温度差ができてしまって。そんなときに相手の方から「離婚カウンセリングに行こうか」と言い出したんです。























ーーそれは、相手もAiさんとの関係回復を望んでいたということですか?
































































































ーー一体どういう回答をしたらそういう結論になるんですか(笑)。
カウンセリングはそれっきりでしたね。
結局別れちゃいましたし。







































































ーーお二人とも、離婚の経験がなにかしらのきっかけになっていると思うと面白いですね。
カップルカウンセリングは、私の周りでは何人か行って「夫婦仲が復活した」「すごく良かった」と言っていました。
Aiさんの場合は…たまたまカウンセラーさんとの相性が悪かったんでしょうね(笑)。
性にまつわる活動の難しさ

























ーーというと?


















































「小室友里が出るらしいぞ」がなぜか色々曲解されて、「アダルトビデオを上映されるかもしれない」といった声が出てくるようになり…。























ーーそれは想像力がたくましすぎますね…。

























「元AV女優」という肩書に「建前」が絡むと、このように「いかがなものか?」と言い始める人が現れるんだな、と思いました。























ーー悪意が凝縮されがちなTwitterだと、性を扱ったアカウントにはクソリプやエロDMが殺到しそうなイメージですが、意外とないものなんですか?
「僕のチ〇〇は〇cmありますが巨根の僕に合うコンドームはありますか?」みたいなやつが。























ーーうわっ、それはなかなか…(引)。
















































「なんか違うな、つまんないな」って思われたんでしょうね(笑)。























性なるものへの勘違いを正したい
ーーお二人の活動を伺っていると、「性に対する勘違いを正す」ことに共通点があるような気がしますね。

























あと、「避妊は男性が主導権を握るもの」という女性側の勘違いもあると思います。























ーーそうか、女性側の誤った思い込みというのもあるんですね。
















































ーーAiさんは最近あちこちのメディアにも取り上げられていて、社会全体における性教育に対する注目度の高さが伺えますね。
なんとこの間、現役中学生のコンドームソムリエ見習いが誕生したんですよ!







































































ーー若い世代の間で、性や避妊を主体的なものとして捉えられる動きがあるというのはすばらしいですね。

























昔に比べてタブーとされることも増えてきましたし、逆に当たり前になった部分もあります。
こんな風にめまぐるしく変わっていく女性の常識を、上の世代の男性たちにわかる言葉で翻訳していくのが、私の役目なんじゃないかなと思っています。
ーー昔は許されていた表現も、今では時代遅れとみなされるようになりましたもんね。このギャップがセクハラの根源にあると思うと、小室さんの活動は若い人にとってもものすごく意味のあるものであるように感じます。
それでは最後に、お二人の今後の目標を教えてください。

























ーーカップルの6割近くが浮気や不倫を! そんなに多いものなんですね。

























そんな、セックスも含めたカップル間のコミュニケーションを啓蒙して、この53.6%という数をちょっとでも減らすことができたらいいなと思っています。
なので、学生向けのコンドーム試触会イベントなども企画しています。また、通常のコンドーム試触会も、東京だけではなく大阪や福岡など、各地でも開催していく予定です。























<撮影場所:ブラックテラス>
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