新規会員登録はこちらから

フェイクミート試食会に潜入! 代替肉は糖質制限者の救世主となるか?

ヴィーガン
糖質制限をしている人たちの主食は、肉(と、プロテイン)。もし環境問題などが原因で畜産の供給量が減ったとき、私たちは何を食べるべきなのでしょうか? 今回はベジタリアンやヴィーガンだけのものと思われがちな「代替肉」を、糖質制限を実践して3年目になるライターが試食してきました!

あなたは「代替肉」というものを知っていますか?
植物由来の原料を使った肉モドキのようなもので、今世界的なブームになっているんだそう。
その市場規模は700兆円ともいわれ、牽引役となっているビヨンド・ミート社は、2019年に上場して取引初日に38億ドルをつけ、半年後には時価総額400億ドルにまでなるモンスター企業に成長しました。そしてこのブームを受けて、ケンタッキーやバーガーキングが代替肉を使ったメニューを出しています。

この代替肉ブーム、糖質制限を実践して3年目になる私も興味深く見ていました。
なぜなら、糖質制限が広まれば広まるほど、肉の需要が高まってしまうから。
畜産の生産数には限りがあるわけで、将来的に「肉が足りない」ということになりかねない。
地球が温暖化するとか氷河期が来るとか様々な説がありますが、もし気候変動による食糧難が来れば、「肉しか食べない」なんて贅沢なことは言ってられなくなります。
そんなときに代替肉といった形で食の選択肢が増えるなら、ありがたいことだなぁと思うのです。

ちょうどそんなことを考えていたときに、科学ライターの久野友萬さんから「代替肉の試食会があるんだけど」とお誘いを受けた私。ワクワクしながら、新宿のジビエ専門店「パンとサーカス」に向かったのでした。

いざ「パンとサーカス」へ

「パンとサーカス」は新宿三丁目の雑居ビルの4階にありました。
パンとサーカス新宿店
こちらのエレベーターで4階に上がると、赤と黒と金を基調にしたアンダーグラウンドなテイストの不思議な内装が目に飛び込んできます。この、実に新宿らしくて素敵なお店が、今回の会場である「パンとサーカス」です。
このお店、ジビエ専門店と謳っていますが有名なのは昆虫食。パンチの効いたメニューを目当てに、ゲテモノ好きから怖いもの見たさの人まで、幅広い層に支持されている人気店です。

お店に入ったら試食会の参加者さんが、店長さんと猿の脳みその話で盛り上がっていて「うそぉ…」ってなりました。こんな話題がしょっぱなから出てくるお店もここだけじゃないでしょうか。
そういえば今日の試食メニューの中にもコオロギがあるって見えたよ…? ドキドキ。

フェイクミート、実食!

試食会の最初に、この店に代替肉を持ち込んだという科学ライターの久野さんから、フェイクミートについての説明がありました。
“意識高い”人たちの間で支持を受け、上で触れたように700兆円もの市場規模に成長している分野であること。また、2020年のオリンピックに向けてインバウンド需要が高まっている中で、ベジタリアンやヴィーガン、ハラル対応の食事が求められていることなどから、代替肉は特に注目されている分野であることなどが語られます。

代替肉のメーカーであるベジタリアンブッチャージャパングリーンカルチャーの方々、そしてこの「パンとサーカス」のブランディング担当・宮下慧さんからも挨拶があり、いざ実食となりました。
さてさて、フェイクミートとは一体どんなお味なのでしょうか?

フェイクvs.リアル ハムとチーズ盛り合わせ&フェイクミート×フェイクツナのタルタル

最初に出てきたのがこちら。
ハム、チーズは本物と比較しながら食べられます。
フェイクvs.リアル ハムとチーズ盛り合わせ

大豆ベースのハムの食感は、ちょっと高野豆腐に近い感じ。がんもどきとかあれ系の練り物に近い感じです。肉独特の繊維質の再現は難しいのかな、という印象。しかし味はしっかりハムでした。
こちらはグリーンカルチャーさんの商品だそうで、ヴィーガン対応の大豆ハムなのだそう。

そしてビックリしたのが豆乳ベースのチーズ
うん、これクリームチーズだ。
塩気がしっかりしていて、舌に残る味わいも豆乳らしさがかなり消えてる。
聞くとこちらもグリーンカルチャーさんの商品で、世界初の大豆でできたクリームチーズなのだそう。

フェイクミート×フェイクツナのタルタルは、全部が植物性。
クリーミーなアボカドの上に、そして大豆から作られたツナが乗り、フェイクミートで作ったというフランス料理などに出されるチュイールが乗せられ、パリパリとした小気味いい食感をプラスしています。

実は私、ツナは本物のツナだとリアルに勘違いしていました(だって今回の試食会、フェイク「ミート」っていうから…)。
こちらはベジタリアンブッチャーさんの商品で、大豆たんぱく、小麦たん白、ホエイが主な原料なのだそう。いや、全然わかんなかった…!

フェイクvs.リアル ハムとチーズ盛り合わせ&フェイクミート×フェイクツナのタルタル

↑「フェイクvs.リアル ハムとチーズ盛り合わせ」「フェイクミート×フェイクツナのタルタル」各1000円(税別)

これらのメニューは、「パンとサーカス」でも10/25(金)から食べられるようになっています。
タルタルは見た目もキレイでわくわくしますね。

フェイクvs.リアル ソーセージ盛り合わせ

開発期間1年をかけて、12月にいよいよ発売されるという「プラントベース・ソーセージ」(価格未定)も今回特別に試作品を試食させてもらいました。

フェイクvs.リアル ソーセージ盛り合わせ

↑「フェイクvs.リアル ソーセージ盛り合わせ」価格未定

「どちらがフェイクか当ててみて」ということで、小さくカットしたソーセージを食べ比べてみたのですが…ほんと、言われないとわからない!
強いて言えば、食感の違いで「こっちかな?」というのはあるのですが、「そういう種類のソーセージなのかな?」程度。
牛のソーセージのパリっと感にくらべてフェイクミートの皮はしっとりやわらかな感じ。でもプリプリとした歯ごたえはしっかりあって、肉らしい旨味も十分です。
いくつかの会社から代替肉のソーセージは作られているのですが、完全に植物原料だけで作られたソーセージは、日本で販売されているものの中ではグリーンカルチャーさんのこのソーセージだけなのだそうです(ちなみに、日本未発売だけどベジタリアンブッチャーさんの商品にもやはり完全植物原料で作られたソーセージがあるとのこと。こちらも日本発売が楽しみですね)。

牛・豚・コオロギ・フェイクミート4種のミートボール

そして私が一番楽しみにしていたのがこれ。
牛・豚・コオロギ・フェイクミート4種のミートボール。
牛・豚・コオロギ・フェイクミート4種のミートボール

↑「牛・豚・コオロギ・フェイクミート4種のミートボール」900円(税別)

実に「パンとサーカス」らしい、畜産、ジビエ、昆虫、大豆ミートという4種が揃ったプレート。
どれがどの肉かはシークレットで、わかった人にはドリンクをプレゼント、というサービスも実施されているそう。

おそるおそる口に運んでみたのですが…。
「さすがにわかるでしょ~」とタカを括っていたのに、全然っわかんない!!

牛肉のミートボールは、食べ慣れているのもあって「これだろう」というのはわかったものの、私が代替肉だと思ったのはコオロギで、代替肉だと思ったのは鹿で、コオロギだと思ったのは代替肉でした。うそおー。

牛はさすがに、安定した美味しさです。
鹿は思ったよりクセがあるように感じました。しっかりとした肉の味で脂が少なめ。
コオロギは、肉です。どう食べても肉です。いやこれ、まったくわからなかった。ただし「これがコオロギか」と知った瞬間から、「私は虫を食べているのか」というぞわぞわした感覚が襲ってきます。人間の思い込みって面倒ですね。

そして肝心のフェイクミートですが、これがびっくり、とっても美味しい!
揚げてあるので表面さくっと、中はしっとり。噛むと紛うことなき肉の味がします。原料から考えたらがんもどきや厚揚げとほぼ似たようなものなのに、肉らしさが段違いでした。

フェイクミートハンバーガー

そして最後に出てきたのがこちら。フェイクミートのハンバーガー。
トーストした天然酵母のパンに塗られているのは、ヴィーガン対応のマーガリンだそうです。

フェイクミートハンバーガー

↑「フェイクミートハンバーガー」1200円(税別)

いや、びっくり。これ、肉です。トマトやマーガリン、バンズの味の影響もあってか、まったくわからない。
むしろ、一般的なハンバーガーに挟まっているパテよりも口当たりがやわらかくて好きかもしれない。一番「代替」肉としての機能が高かったのはこのパテかもしれません。
こちらのパテは、ベジタリアンブッチャーさんのこの商品だそう。

「新しい種類の肉」としての選択肢ならアリなんじゃないか

食べ比べてみると、「やっぱり牛は美味しいなぁ」という気持ちになってしまうのですが。フェイクミートは「牛肉のかわり」というよりは、「新しい種類の食べ物」として楽しむのがいい気がしました。「パンとサーカス」の宮下さんもおっしゃっていましたが、ジビエのようなカテゴリですね。
「これが牛ですよ」といわれてしまうとやっぱり細かな違いが気になってしまいますが、「そういう種類の肉」と思えば美味しく頂けます。

ちょっと話がそれますが、日本米とタイ米をふと思い出しました。
記録的な冷夏に襲われた1993年、日本全国で米が不足し騒ぎになったことがありました。それを収束するため、政府がタイ米を輸入。一般家庭に届くことになったのですが、タイ米は炊飯器で食べる日本の食習慣には合わず、「パサパサしている」「美味しくない」と超絶不人気に。
しかし「タイ米にはタイ米の美味しい食べ方がある」というのは、今では周知の事実です。サラサラとしたカレーにはタイ米の方が美味しく食べられます。「日本米のかわり」と考えなければ、美味しく食べられるお米なのです。

そんな感じで、このフェイクミートも「牛肉のかわり」ではない「新しい種類の肉」としての楽しみ方ができれば、より広まっていくのではないかな、と思いました。
ソーセージ以外のフェイクミートメニューは、「パンとサーカス」さんで10/25(金)から食べられるので、ぜひ試してみてくださいね。ソーセージも12月にはメニューに並ぶ予定とのことです。

気になる栄養はどうだろう?

さて、このように美味しく食べられる代替肉ですが、栄養面ではどうでしょうか?
混同されがちですがヴィーガンとオーガニックは別物だそうで、オール天然素材をよしとするオーガニックの人にはこのフェイクミートはおすすめできないだろうなぁ、と久野さんが語っていました。肉の味を出すためには添加物は必須らしく、そこは共存できないと。

タンパク質・脂質・炭水化物のバランスはどうか

糖質制限をしている人間にとって一番気になるのが、タンパク質脂質のバランスです。
フェイクミートを販売しているベジタリアンブッチャージャパンのサイトによると、PFCバランスは以下の通りです。

ミートボール

エネルギー186kcal、タンパク質18.6g、脂質8,1g、炭水化物8.2g(100gあたり)
一般のミートボール:タンパク質12g、脂質16g、炭水化物13g(100gあたり)

ソーセージ

エネルギー153kcal、タンパク質15g、脂質7.8g、炭水化物5.3g(100gあたり)
一般のソーセージ:タンパク質13.2g、脂質28.5g、炭水化物3g(100gあたり)

パテ

エネルギー169kcal、タンパク質15.2g、脂質8.1g、炭水化物8g(100gあたり)
一般のビーフパテ:タンパク質17g、脂質8g、炭水化物3g(100gあたり)

ツナ

エネルギー340kcal、タンパク質12g、脂質28g、炭水化物7g(100gあたり)
一般のツナ缶(油漬):タンパク質17.7g、脂質21.7g、炭水化物0.1g(100gあたり)

わかりやすいように一般の食品とも比較してみました。
こうしてみると、PFCバランスはかなり元の食材に近づけてあるのがわかりますね。

個人的には、しっかり脂質が含まれているのがありがたいと感じました。健康を謳っている食品の中には脂質ゼロをアピールしているものも多いのですが、糖質を摂らないかわりにタンパク質と脂質で栄養を摂る糖質制限では、脂質まで削ってしまうと深刻な飢餓状態に陥ってしまいます。タンパク質からしか栄養が摂れないということですからね。結果、カサカサな肌、白髪だらけの髪の毛など美容にも大きなマイナスになりますし、ひどいときには摂食障害まで引き起こしかねないのです。脂質は人間の体に必要なものなので、ゼロにしては絶対にダメなのです。

欠けているアミノ酸に気を付ければ大豆由来の食事もアリ

さて糖質制限実践者、特にタンパク質に重きを置いている人たちが一番気にしているのは、プロテインスコアです。
プロテインスコアとはタンパク質に含まれている必須アミノ酸のバランスを数値化して点数をつけたもので、これが高ければ高いほど、効率よく栄養を摂取できるという目安になります。

現在主流になっているのはアミノ酸スコアなのですが、多くのトレーニーや糖質制限実践者ではこちらではなくプロテインスコアを重視しています。この件については「筋肉博士」の異名を持つボディビルダーの山本義徳先生がこちらで書かれていますが、要約すると「大豆のアミノ酸スコアの数値が改定ごとに不自然に引き上げられているので何らかの政治的意図が働いているようにしか見えない。プロテインスコアの方が基準が厳しいので、そちらを参考にした方がいい」ということです。

プロテインスコアを基準に考えると、20gのタンパク質を摂る場合、プロテインスコア100の卵の場合は20gそのまま摂れます。しかしプロテインスコア56の大豆からは実質11.2g分のアミノ酸しか摂れない、ということになります。

そう考えると、上に記載したフェイクミートのPFCバランスも少し崩れてくる、というのは頭においておいたほうがいいでしょう。
ただし、足りないアミノ酸を他の食品で補うことで対処することも可能です。

<大豆タンパクに足りないアミノ酸>

・メチオニン(含硫アミノ酸)
→豊富に含まれている食材
 ホウレンソウ、チーズや豆類、果物、肉類など。

・スレオニン
→豊富に含まれている食材
 かつお、鶏肉、レンズ豆など。

・バリン
→豊富に含まれている食材
 カッテージチーズ、魚、鶏肉、牛肉、落花生やレンズ豆など。

もしフェイクミートを食べるときは、一緒に上の食材を摂っておくといいかもしれませんね。

ちなみにベジタリアンブッチャージャパンの社長さんに伺ったところ、フェイクミートは大豆タンパクだけではなく、小麦タンパクや乳清(ホエイ)、ソラマメやとうもろこし、米粉なども使われていて、厳密なアミノ酸の含有量については不明とのことです。こちらの情報も近いうちに知りたいところです。

肉が主食の糖質制限の人たちにとって、畜産や環境問題は、ダイレクトに影響する問題です。
いつか来る未来のために、代替肉の可能性も探ってみませんか?

「パンとサーカス」では、「本物の肉?フェイクミート・フェア」と銘打ってフェイクミートが食べられるフェアが開催中だそう。期間は10月25日(金)~12月30日(水)まで! 今年の忘年会はフェイクミートと昆虫でシメるのも楽しそうですね。

坂野 りんこ

1,861 views

Lily-Jay編集&ライター 頑張っていない方のアラフォー先輩。気が付いたらライター歴15年以上。Lily-Jayにはこの春から編集として参加しています。...

プロフィール

関連記事一覧